TOP about me my thinking my writing
let's talk
Lesson
1
2
3
4
5
6
8
9
10

2.ダーツとは?

 ダーツ〈dart〉とは英語で、投げ槍とか、投げ矢という意味であり、洋裁では、布地を立体にあわせてつまんだ余分な分量をいいます。下の写真をご覧ください。左は、円を円すい状に畳んだものです。右はそれを開きました。このように、ダーツ分量を得ることが立体裁断のはじまりです。この例から、ダーツ展開の概略を解説いたしましょう。


円すいと平面展開

図 1

図 2


[図 1] 円すいを平面にしたものです。これから、ダーツ分量APBをCに移動させる展開をしてみます。(正円だから回せばいいのですが、固定されているものといたします)

[図 2] 簡単ですね。CPを切り込んで、APをBPにつけるだけです。ただ、パターン操作の上で留意すべきことは、図1でCPを完全に切り離してしまわないことです。Pから1ミリは残しておいて、ダーツを閉じます。実際のパターン展開では、このように切り込みが1か所ではなく数か所に及ぶことが多く、うっかり切り離してしまうとバラバラになってやっかいなことになります。切り離さなければダーツが動かないこともありますが、できるだけつなげておくことがコツです。

 ポイントが同じであれば、ダーツを自由に移動させることができるということが分かりました。では、ダーツの分散について考えてみましょう。下の写真をご覧ください。左は、円すいの頂点をつまんだものです。尖りがなくなって頂点が二つになりました。右はそれを開いたものです。円の中心で重なっていて、ダーツが2本に分散されています。1本ではダーツ分量が多いときには、このように分散して頂点をぼかすことができます。

頂点を2つにした円すいと平面展開

図 3

図 4


[図 3] 二つのダーツポイントを結んだ線で切り離しました。

[図 4] 角張っているところをスムーズに描きます。

 このような縫い目線を切り替え線と呼んでいます。単純なダーツをいかに切り替え線に仕込んでいくかによって、さまざまなデザインが生まれます。この図から何か思い浮かびませんか?そうです、ブラジャーですね。これほど簡単な形ではありませんが、このように上下2段で切り替えられています。むずかしそうなものも基本的には単純なことが分かります。

※このレッスンのテーマは3つありました。すなわち、ダーツの移動分散切り替え線 です。次回には、原型を使って少し実践的に説明いたしましょう。